【シナリオ教室の体験へ】
先日、近所のカルチャークラブで月1ペースで開催している、脚本家・安倍照雄さんによるシナリオ教室の体験へ参加しました。
参加の動機は、"伝達力"を身につけたかったから。
カルチャーセンターの掲示を見て、この教室を知り…
本格的に「書き方」を勉強するのもいいなぁ〜と、興味関心がムクムクと膨らんできた…という単純な流れ^^
こういったblogもそうですが…
文章を書くこと自体は、子供の頃から、わりと好きな方なんですよね。
将来的には身につけたスキルを生かして、ライティングのお仕事等…クラウドワークスなどから受注し、新たな道を拓いていけたら世界もご縁も広がるし、面白そうだよなぁ…と。
↑こちら。安倍先生が脚本を書いた、深田恭子さん主演の映画「死者の学園祭」。
小中学校の同級生と、19年前に観たんだよなぁ…懐かしい。
先生の主な作品として…
NHKドラマ「極楽遊園地」、WOWOWドラマ「撃てない警官」、映画「手紙」、「やじきた道中てれすこ」、「築地魚河岸三代目」、「ふしぎな岬の物語」、「しゃべれどもしゃべれども」等があります。
現在は、武蔵野美術大学で非常勤講師もされているそうですよ^^
安倍先生は第4回TBS新鋭シナリオ大賞に佳作入選、第21回城戸賞受賞という経歴を持っておられまして。
其々が自信作を送ってくる、良作が集まる前提で審査は行われる、数ある応募作品の中から選ばれるシナリオを書くには?どんなコツがあるのか…というお話しから、聞かせてくださいました^^
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プロット(あらすじ)を書くときに大切なことは、ログライン(そのお話しのイチバンおいしいウリを3〜4行で説明する)と、テーマ(どうしても伝えたいこと)の設定です。
何万作というシナリオに埋もれないためには、審査員の心を掴む斬新な切り口と、それをコントで終わらせないための普遍的なテーマを決めておくこと。
切り口は単なる人寄せではなく、いかにテーマを際立たせるかの"装置"になっていなくてはなりません。
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脚本のつくり方は…色々あるそうです。
A.自由に楽しみながら書く。
この場合、最後まで必ず書き切るのがルール。後付けで良いので普遍的なテーマを考える。シーン1から見直し修正する。
B.普遍的なテーマを決めてから、ストーリーを考える。
この場合、性善説的(万人ウケする内容)がおすすめ。ハッピーエンドが7〜8割、バッドエンドが2〜3割というのが統計としてあるため。
C.幕構成でブロックを作る。
いわゆる「起・承・転・結」を意識しながら作る方法。観客は概ね第二幕を楽しむ。周囲の登場人物もまた、意味を持つコマ・道具になっていること。
などなど^^
じぶんの思考の癖や性格に合った方法を選んで、作品づくりに取り掛かると良いそうです。
わたしは、、うーん…どれかなぁ。
(…Aかな?ふふふ^^)
"タイトル決め"もまた、重要です。
どんなに脚本が良くても、タイトルがありきたりであったりダサかったりすると、手に取ってさえもらえないと。
それはとても、勿体無いことですよね…
ここで先生が、とある洋画を紹介してくださいました。
↓↓↓
(あらすじ…)
とある、仲の良い夫婦がおりました。
ふたりは其々の親友を家に招きましたが、この親友同士は反りが合わず、もう二度と顔を見たくないと言って帰っていきます。
しかしその夫婦、不幸な事故で命を落としてしまい…その間に生まれた幼子だけが、生き残ります。
ここからはアメリカならではの設定なのですが…
この夫婦の弁護士から、その親友たちに通達が入ります。
「自分たちに万が一のことが起きた場合には、それぞれの親友に、我が子を委ねる。」と。
相性最悪の男女が、亡くなった親友夫婦の想いを叶えるべく…はじめての育児に奮闘し。
いつしか愛が芽生えていく…というようなストーリー。
タイトルは「LIFE AS WE KNOW IT」
日本語に直訳すると「わたしたちが知っている人生」です。
このままでは、微妙すぎるタイトルなので、日本公開に向けた邦題が付けられるわけです。
それが…
「かぞくはじめました」
安倍先生は、この邦題をとても気に入っているご様子。
"冷やし中華はじめました"のノリだね、と。
「わたしたちが知っている人生」なんてタイトルだったら、きっと一生、手に取らなかっただろうな…と思います。
やはり、タイトルは重要ですね…!
それから…
⚫︎シナリオには、極力"擬音"は書かない方が良いことや、
⚫︎行間を感じさせる(観客が裏事情を読んでくれる・勝手に合点がいってくれる)という飛躍のさせ方があり、それは情報をすべて説明するよりも面白いということ、
⚫︎最初は丁寧に、情報も多めに書いたシナリオを、削っていく作業。
(声をかける→目が合うだけにする→シーンまるごとカットしても繋がるかどうか?このシーンをあえて削り、観客の想像を膨らませた方が面白いかな???)
⚫︎シーンの小箱の並べ替え…等を学び。
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さいごは、「対位法」について。
対位法とは…対極のものを見せることによって、シーンを際立たせる技法のことです。
例として、黒澤明監督の「野良犬」のラストシーンを、教室の壁に映してくださいました。
舞台は1949年、終戦後の東京。世田谷の雑木林。
①住宅地の民家から、ピアノの練習曲が聴こえてくるなか…
村上の手の甲のアップ(血が垂れている)
足元の白い花弁に、血が落ちる。という画。
②犯人が手錠をかけられた後、そのすぐ傍を幼稚園児が童謡の「ちょうちょう」を唄いながら過ぎ去っていく。
(連続殺人犯=死刑が決まっている。最後の呻き声を上げる。)
※白い花は、緊迫のシーンを際立たせるために、あえて美術部が植えたものだろう。
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対位法とは離れますが…
わたしの大好きな山田洋次監督も、映画「幸福の黄色いハンカチ」のなかで、ところどころに黄色い花を植え、さりげなく画におさめているのです。
細部に、モノづくりへの情熱・こだわりを感じますね^^
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ミュージカル映画「雨に唄えば」
恋人ができた嬉しさ(幸せいっぱいに踊っている)⇄雨(本来は冷たくて凍えるイメージ)
たとえば失恋後、傘も持たず、土砂降りの雨の中を歩かせるというシーンもいいが…
「対位法」としては、満開の桜並木の下を歩かせる方が、悲しみがいっそう際立つということ。🌸🌸🌸
いやぁ〜^^
盛りだくさんで、とても充実した1時間半でした。
安倍先生のお話し、面白かったなぁ…!
日野市の方なのに、城東エリアでお教室を開いてくださって…偶然にも、巡り会うことができて、わたしはラッキーです\(^o^)/光栄です✨
次回は9/8日曜。たのしみ…!✨
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