【アンパンマンで涙腺崩壊】
(※この記事は映画「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」のネタバレを含みますので、ご注意ください。)
イラストはHALさんのYahoo!blogより引用
実は今回、小4の息子を連れ
「それいけ!アンパンマン きらめけ!アイスの国のバニラ姫」を観て参りました。
息子「えー??アンパンマン観るの?!赤ちゃんが観るアニメじゃん…!」
そりゃそうだよね。
…予想通りの反応です。
わたし「必ず得るものがあるはずだから、騙されたと思って、観てみよう…!」と、キャラメルポップコーンを餌に(笑)館内へ。
案の定、乳幼児の親子連れしか見当たりません。
わたしは息子を、乳幼児期に映画館に連れて来たことがないので未体験だったのですが、館内は明るいまま上映するのですね。
暗闇になると不安になって、お子様が泣いてしまうからでしょう。あとは、授乳ですとか、鼻をかんであげたりとか…そういう作業に配慮してのことなのでしょう。
情報としては知っていましたが、初めての空気に新鮮さを感じました^^
(ちなみにバニラ姫の声をやっている女優の榮倉奈々さんも、今作でお子様を映画館デビューさせたのだとか。微笑ましいですね♪)
写真はhttps://mantan-web.jpより引用
入り口ではお子様ひとりひとりにマラカスが配られ、作中に流れる音楽に合わせ、客席でシャンシャンと振るのです。まるで幼稚園のお遊戯会のようでした。
さてさて。幼児を中心に、絶大な人気を誇るアンパンマンですが。
皆さんも、紙芝居や絵本、アニメや舞台等で、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか^^
わたしがアンパンマンの哲学を知ったのは、実は大人になってからでした。
カラオケで持ち歌のネタが尽きて、なんとなくノリで「アンパンマンのマーチ」を入れて、うろ覚えで歌ってみたのです。
ぬぬぬ〜っ!!
なんて、胸に残る歌詞…!
((((;゚Д゚)))))))
名曲ではないか…!!汗
キーワード1.「ほほえみ」
過去のわたしは、童顔であることや声が幼いこと、低身長にも、ずっとコンプレックスを抱いていました。
でもやなせさんの考え方を吸収したことで、「相手に威圧感を与えない容姿」を、むしろ誇らしく思えるように。
せっかく与えられたものなので、この先天的な容姿を生かすためにも、後天的な努力(表情づくりや言葉選び、話すスピードを工夫する等)を意識し、「なんとなく話しかけやすい人」を極めたいものです。笑。
---
キーワード2.「胸の傷」
"無傷で人を救うことなんてできない。"
やなせさんは著書のなかで、そう仰っておりました。
アンパンマンは利他の精神で、毎日パトロールに出かけるのです。
---
キーワード3.「やさしい」
人と関わるとき、そこに優しさはあるのか。
100パーセントの善人も、100パーセントの悪人もいない…完璧な者などいない世の中で。
相手を言い負かすのではなく、成長の機会や、挽回のチャンスを残すような…ひと匙の優しさを含めることができているのか?
人の優しさに気づけるのか。
気づけたとき、素直に喜べるのか。それとも胡座をかくのか。偽善者だと、ほくそ笑むのか。。
清らな心で真っ直ぐに向き合えば、愛と勇気こそが友だちなんだと、自然に思えるのではないでしょうか。
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を、連想しました。
---
キーワード4.「なんのために生まれて」
こここ、これですよね…!やはり。
核心を突いているフレーズは。
自分の人生を、どう生きるか。
自分はどうしたいのか。とことん!向き合うこと。ですね。
パッと答えられたら幸せ。
豊かなんだろうなって、思います。
---
さり気なく、名言の散りばめられた曲…
幼い頃から何度も唄い、大人になって気づかされる。
これは生みの親である、やなせたかしさんの魔法かも。
やなせさんの生い立ちや、この主題歌に込められたメッセージ等を紐解いていくと、アンパンマンは、日本人として、涙を流さずにはいられない作品だったのです。
大正生まれのやなせさんは、第二次世界対戦を経験されています。いちばん辛かった戦いとは…「飢え」。
豊食の時代に生まれ育ったわたしたちには想像すら難しいことかも知れませんが、過酷な肉体労働よりも、飢えこそが、辛かったのだそうです。
ヒーローと聞くと、強い・正しい・敵を倒してくれる!という鉄板の流れがありますが、やなせさんは疑問を持ちました。
「敵を倒すことばかりに焦点が当たっていて、誰も傷ついた人を助けていない。ひと切れのパンを配ろうとするヒーローが存在しない。」と。
正義の概念なんてものは、状況によって簡単にひっくり返る。わたしもそう思います。
分け与える心、その身を削ってでも弱きを助ける優しい心こそが、本物の正義なのではなかろうかと、強調しています。
アンパンマンが着ているのは洋服で、パンも外国の食べ物ですが、中身のあんこは日本の優しい味。それを忘れないでほしい、と。
敵側の事情にフォーカスせずに、こちらが勝てば一件落着・万々歳というのは危険な刷り込みに感じますね。
アンパンマンは、バイキンマンを懲らしめることはあっても、決して殺しません。
だって、パンにも菌は必要なのです。
わたしたち人間の体内にも多くの菌が存在し、それらの絶妙なバランスによって、仕上がっている。
やなせさんは、綺麗事だけでは成り立たない世の中に、菌との「共存」を表現するため、バイキンマンというキャラクターを誕生させたのです。深いですね〜
こうやって、アンパンマン誕生秘話を知れば、いかにメッセージ性の強い作品かということが、分かっていただけるかなぁと思います^^
さて。これらのバックボーンを踏まえて、実にウン十年ぶりにアンパンマンを観たのですね、今回。小4の息子と(←しつこい)。
※以下、映画のあらすじです。
↓↓↓
バニラ姫は、アイスの国のお姫様。
彼女の任務は、世界中に美味しいアイスを届けること。アイスづくりに使う魔法のスプーンは、歴代のお姫様だけが扱えるのです。
しかしバニラ姫がどんなに練習を積んでも、思うようにアイスが作れません。
ジェラート大臣の日々のお説教に耐えかねて、バニラ姫は家出をします。
そして、アンパンマン達に出逢うのです。
アイスの国は「夏休み中」ということにして、町のみんなと気ままに過ごします。
そこで、アンパンマンが日常的に困っている人を助けていることを知ります。
自分がお腹を空かせたときも、顔を分けてくれました。そのときのアンパンマンには、やさしい微笑みがありました。
コキンちゃんは、バニラ姫のために早起きをして、サプライズでお弁当を作りました。
バニラ姫がそれを食べている様子を見て、コキンちゃんは嬉しそうに笑っていました。
アイスのことなんて忘れてしまおうと思って城を飛び出したのに、バニラ姫の心が自分に足りない何かに気がつく度に、ベッドの下に閉まっておいた魔法のスプーンが自分を呼んでいるような気がします。
とある、とても暑い日のこと…
カバオくんに「本当は夏休み中なんじゃなくて、アイスを作れないんじゃない?」と疑われたバニラ姫は、ムッとして魔法のスプーンを握り呪文を唱えます。
しかし、思い通りにいきません。
責任感の強いバニラ姫。夜も寝ないで、とても苦しそうな顔で…練習を続けています。
自由奔放なコキンちゃんはその様子を見て「それって楽しいの?こんな物があるからバニラちゃん苦しそうな顔するんだ。」と言って、魔法のスプーンを投げ捨ててしまうのです。
バニラ姫は「わたしの大切なものだと知ってるはずなのに、何でそんなことするの?!」と怒ります。
「アイスを作る使命を奪われてしまったら、わたしは何のために生まれてきたのか…」と嘆き、悲しみ…ふたりはそのまま、決裂してしまうのです。
一方、主を失ったアイスの国では…バイキンマンが好き放題に暴れていました。
アンパンマンとその仲間たちとともに、バニラ姫はアイスの国を救いに駆けつけます。
未だに技を繰り出せないバニラ姫。
ピンチの時に助けに来てくれたのは、なんと喧嘩別れをしたコキンちゃんでした。
たくさんの人の優しさに触れるうちに、バニラ姫の中で、アイスを作る行為というものが「やるべき事」から「やりたい事」へと変化したのです。
アイデンティティの確立ですね。
はじめは文句を言っていた息子も、観てみたら意外と面白かったとのこと^^
ふふふ。
途中からストーリーにのめり込んでいたこと。母はとなりで、気がついていましたよ(笑)
期待したとおり。幼児に観せるだけでは勿体ない、すてきな世界でした。
なんのために生まれて、なにをして生きるのか。自分を正しく知り、他者のことも認められる。
息子には、そんな大人に育ってほしいな。
わたし自身も、ね。類は友を呼ぶと信じて。
---
余談ですが、コキンちゃんというキャラクターは、わたしが幼い頃には存在しませんでした。ドキンちゃんの妹だそうで。
女王様気質の姉と、嘘泣き上手な妹。
日々彼女たちに振り回されるバイキンマンも、大変でしょうね(笑)
0コメント