【ゲーム障害についての私見】

WHOは「ゲーム障害」を精神疾病として、正式に認定。国際疾病分類の第11回改定版(30年ぶり)、発効は2022年の1月〜と公表した。

ゲーム障害の定義…
「ゲームをする頻度や長さを自分で制御できず、日常活動よりも優先し、個人・家庭・社会・教育・職業などの重要な生活機能に支障をきたすことが、12ヶ月以上続く場合」を指す。
問題点として、

①先ずは心身発達のバランスが崩れることが挙げられる。
運動不足による筋力低下、糖尿病のリスク増、腸の活動が鈍り脳に影響を及ぼす(脳腸相関)。

人間らしさを司る前頭前野(思考・言語・認識・判断・学習・感情・感性など)の働きが鈍る。

※特定の部位への脳トレにはなるのだが、全体的なバランスが悪くなってしまう。
②次に、架空世界と現実世界の区別も鈍る。
人は各自の得てきた経験(情報)から繋げたシナプスにより、見えている世界が異なるからだ。

③他にも、社会との結びつきが希薄になり、コミニュケーション不足に陥ること等が挙げられる。



解決法としては、

①ゲームでは得られない快感もあることを知る。(ゲーム以外でのストレス発散法を提示)

⚫︎走る、自然と触れ合う、日光を浴びる
→セロトニン分泌(幸福感を得られるホルモン)

⚫︎ヨガやマッサージなどでリラックス、手を繋いで歩く、微笑みかける
→オキシトシン分泌(愛情ホルモン)

②脳波計(脳の周波数を調整する装置)を用いて、ニューロフィードバックする。

③ゲームには教育的・治療的・娯楽的な価値(集中力や計画性の強化)もあるので、依存のリスクを理解させた上で約束事を決め、自制しながら楽しむ意識づけをする。

(プレイ時間を決める、課金の上限を決める、完結型のゲームを選ぶ等。)



実業家の堀江貴文氏は、著書「情報だけ武器にしろ。」の中で、下記のように述べている。

『既にプロのゲーマーが活躍するeスポーツや夜遊び経済を新聞が取り上げるようになってきた。だから親はゲームをするなと子供を叱らずに、好きなら才能を磨かせればいい。』

このような視点も、軽視はできない。
実際、今回の発表に対して、ゲーム業界からは批判の声も多くあがっているのだ。

頭ごなしに「ゲーム=悪」と決めつけるのは、時代遅れで勿体ないということだろう。
共生の道を考えるのが、現実的だ。

---

ここで重要なのは、発達途上の子供たちにはなるべく多くのことを体験する権利があるということを、保護者には忘れないでほしいということだ。

多くの選択肢の中から「好きなこと」を見つけてほしい。それがゲームであってもいいし、他のことでもいいのだ。

「皆もやっているから虐められないように」という歪んだ考えや、「ゲームを与えておけば静かで楽だから」という親側の都合で、発達過程の重要な時期にゲーム障害を患らわせてしまう危険性というものを、理解してほしい。

ゲーム障害が原因とみられる死亡事故も既に起きており、2015年に台湾人の男性が、3日間のゲーム漬けの後に死亡している。

子供たちの、無限に広がる可能性を潰してしまう恐れもあるのだということを、ここに強調しておきたい。

0コメント

  • 1000 / 1000